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特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会
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医療や健康に関するコミュニケーターとは?
2007年11月6日(火)
 第6回 ヘルスコミュニケーション・シンポジウム
『食品・医薬品に関するエビデンスは正しく伝えられているか?』 -事例に見る問題点と留意点-
日 時: 2007年11月6日(火)13:30〜17:30(開場12:45)
※懇談会を17:45から行います
会 場: 東京大学弥生講堂 一条ホール
定 員: 200名
参加費: 会員 4,000円  非会員 8,000円  学生 1,000円
※賛助会員の方は,1法人につき2名様まで会員扱いでご参加頂けます
※お振込み後の返金は致しかねますので,予めご了承ください
後援: 財団法人パブリックヘルスリサーチセンター Japan Public Outreach Program(J-POP)
 
懇談会: 17:45〜19:00(同じ建物内ホール横ロビー・会議室にて行います)
軽い飲み物とスナックにて,参加者間の交流の場と致します。
懇談会参加費: 会員,非会員とも1,500円
※お振込み後の返金は致しかねますので,予めご了承ください

Evidence-based medicineという言葉が広まるとともに,医療および健康関連の情報を伝達する際には,エビデンスを伝えることが重視されるようになってきている。しかし,医薬品や食品の臨床研究成績,すなわち,医薬品や食品に関するエビデンスは必ずしも適切に伝えられているとはいえない。たとえば,開鍵後に追加したサブグループ解析を中心に公表された大規模臨床試験成績,統計学的有意差を過度に強調した食品の臨床試験成績など,エビデンスを適正に使用しているかどうかについて疑念を抱かざるをえない事例を目にすることも少なくはない。

今回のシンポジウムでは,具体的な事例を示しながら,ヘルスコミュニケーターやメディカルライターがエビデンスを適切に伝える際に留意すべき最小限のポイントを解説してみたい。同時に,「医学や健康関連の情報を受け止める際には充分な吟味が必要であることについても,事例をまじえながらご紹介したい。
プログラム ※演題など詳細は変更になることがございます。最新情報は当ページにてご確認ください。
講演1:『食べ物を通じた健康情報 :
    ニーズとエビデンスはなぜ一致しないのか?』
13:30〜14:00
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学社会予防疫学教授 佐々木 敏
 食べ物を通じた健康増進や疾病予防の話題が雑誌やテレビなどに登場しない日はない。特定保健用食品(トクホ)など,積極的な健康効果を食品に求める動きも活発である。しかし,「食べ物(栄養)と健康(疾病)との関係を明らかにするための研究」を正しく理解するための教育や,そのための研究者の育成は日本ではほとんどなされておらず,このことが世の中に混乱を与える原因の一つとなっている。
 ここでは,研究をする側の立場から,食べ物を通じた健康情報に対する世の中のニーズとそれを支えるはずのエビデンスが一致しない理由について,事例を交えながら解説を試みるとともに,今後の方向性を探ることとする。

講演2:『特定保健用食品(トクホ)の
    ヒト試験(臨床試験)の現状と問題点』
14:00〜14:30
株式会社TTC 代表取締役社長 山本哲郎
 演者は食品CROの社長として、様々なトクホのヒト試験(臨床試験)に関与してきた。こうした経験を踏まえ、トクホのヒト試験(臨床試験)の現状と問題点について、それらの内容を整理し、解説する。

講演3:『大規模臨床試験成績に公表に関する問題点』
14:30〜15:10
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻生物統計学教授 大橋 靖雄
 最近,循環器領域を中心として,国内の大規模臨床試験成績が相次いで発表されている。しかし,これらの試験結果の解釈は適切であろうか。ここでは,いくつかの大規模臨床試験を事例として,公表された結論や結果の解釈が適切であるかどうかを吟味する。また、以前のJMCAシンポジウムでも取り上げた臨床試験結果の報道についても、問題点を再提起したい。

<休憩>
15:10〜15:30(20分間)

講演4:『医学論文を読む際の留意点』
15:30〜16:10
アラメディック株式会社 代表取締役 林 健一
 現在,さまざまな医学論文が公表されているが,なかには著者の結論を鵜呑みにできない事例も数多く存在する。ここでは,「交絡」「平均値への回帰」「統計学的有意差なし≠作用なし」といった批判的吟味に必要な知識をやさしく解説した後,それぞれに該当する具体的な事例(例:対照群のない試験での投与前後の比較から導いた結論の適切性)を紹介する。

講演5:『健康やQOLの改善を証明するには
    どのような評価方法が求められるか?』
16:10〜16:50
立命館大学 理工学部 教授 医師・医学博士 下妻 晃二郎
 「本薬は○○病患者のquality of life(QOL)を改善する」といった表現を医学論文等で目にすることが多い。しかし,実際にQOLに及ぼす影響を評価した成績を示すことなく,こうした結論を記載することも少なくはない。ここでは,健康関連QOLとはどのようなもので,どのようにして評価するのかを解説し,「○○病患者のQOLを改善する」という情報を発信するためには,どのような臨床試験が必要なのかを整理する。

パネルディスカッション
16:50〜17:30
パネリスト: 大橋 靖雄,佐々木 敏,下妻 晃二郎,山本 哲郎,林 健一
(敬称略)