JMCA 日本メディカルライター協会 > PUBLICATION MANAGEMENT 意見交換会事例集 > 事例集 > 企業治験の論文で,論文公表の前に著者である社員が他社に転職した場合,論文著者を継続できるか
◤事例集:事例No.4
- 分類:著者選定
- 検討時期:2017年3月
- トピック
- 企業治験の論文で,論文公表の前に著者である社員が他社に転職した場合,論文著者を継続できるか
- 経緯・背景
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・企業がスポンサーとなって実施した治験の論文では,試験の計画・実施・解析等に関わった社員が著者となることは,ICMJEの著者要件からも妥当であり社内ルールとしている・しかし,競合他社に転職した場合,論文著者として継続することは会社としての機密情報の漏洩リスクにはならないか,また著者としての責務を果たせるかが議論になった・GPP3では,Change of affiliation alone is not a valid reason to remove an author from a publication if he or she meets authorship criteria.とされている・退職で著者要件を失うわけではないが,転職する人に論文公表後の問い合わせ等にも回答する著者責任を負わせるのは適切でないと判断し,著者から外れてもらうことにした
- 討議内容
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・同様の事例について何か規定を設けている会社はなく,また一律に規定するのも難しいのでその都度検討するのがよいとの意見があった・転職先がアカデミアなど中立的な組織であれば著者継続は問題ないのではないか
- 論点及びほかの選択肢
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・著者責任は論文公表後にも及ぶので,このケースの場合,論文公表後(転職後)にも著者責任を果たすことを,治験スポンサー企業と転職する著者が合意できれば,著者の継続は可能と考えられる
- 参考情報
- ICMJE著者要件
GPP3著者要件