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医療や健康に関するコミュニケーターとは?
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【第2回】米国ヘルスコミュニケーションは「戦略論」その2
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おばちゃん
う〜ん、貴方の場合は例えば「営業成績が悪い」という問題がもし明確で、その上で「ふせっせ先生のところにいることが営業成績の改善につながらない」なら、それは「戦略上」間違ってるわね。でもこの2つ(問題と解決方法)が対応していてずれてなければ逆に優秀な製薬メーカーの営業マン、ということかもしれないわね。
きまじ助手
ここにいても営業成績は伸びないと思うけど・・・

うん。
せいやくん
おばちゃん
もう少し言うと、ヘルスコミュニケーションでいう戦略には忘れてはならない要素があるの。ヘルスコミュニケーションは創成期にビジネス領域のノウハウから多くのことを学んだんだけど、そのビジネス領域ではよく3C(自社Company・競合他社Competitor・顧客/市場Customer)や4C(3Cに販路/チャンネルChannel)という枠組みで考えるの。
3C?4C?
きまじ助手
おばちゃん
そう。それに習って考えるとヘルスコミュニケーションにおける「自社」はヘルスコミュニケーション事業の実施主体(「メッセージの送り手」)に当たるわね。例えば医療関係者や自治体や国や財団や患者団体などね。「競合他社」は営利事業の場合はありえるけど、そうで無い場合は大抵がその問題との関連が高い影響因子ね。例えば病気に影響する生活習慣、エイズ予防で言うと性風俗産業や危険な性行動を加速させる特定の場所やお酒の存在だし、禁煙で言うとタバコ産業ね。次に「顧客/市場」はメッセージの受け手である一般市民や地域全体ね。最後の「販路/チャンネル」はメッセージを受け手に届ける方法(学校教育など)やメディアに当たるわね。問題の本質を理解する上でこういった存在それぞれについて分析することがまず必要なの。
マーケティングのお話みたいですね。
せいやくん
おばちゃん
そうよ。ヘルスコミュニケーションは営利目的のマーケティングの考え方を発展させたソーシャル・マーケティングという方法論を使っているの。だから基本は一緒ね。目的達成・問題解決のために限られた資源をいかに配分して活用するか、持てる資源の効果をいかに最大限発揮させるか、という点が大事なのも一緒。一番の違いはヘルスコミュニケーションの場合はビジネスと違って営利目的でないことが多い、という点かしら。個人や地域の健康度を上げたり、病気や健康に対処する能力(ヘルスリテラシー)を向上させることが目的ね。
この業界はあまり景気の良い話はないからのう。わしだけかもしらんが。。。
ふせっせ博士
おばちゃん
ただヘルスコミュニケーション事業の場合、営利・非営利の区別は厳密には難しくて、その都度倫理面や科学的根拠をしっかり考えていく必要があるわね。例えばエイズ予防事業ではどうしたってコンドームが売れるでしょう?がん予防のために野菜を食べましょうっていえば八百屋さんは儲かるわよね?ある病気の予防のために検査が重要ですって言って検査数が増えれば、病院は確実に収益があがるし。事業によってはその辺も考慮に入れないとね。だから実際のヘルスコミュニケーション事業を進める上で大事なのは「目的や実施主体の特性や方法の詳細がオープン」になっていて、「科学的に妥当な調査方法をもとに事業が設計・評価」されていて、その結果「個人や地域集団の健康度が上がって彼らの満足度や幸福度が増している」かどうかね。
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