今回JMCAでは,第1回目のサロンに,ヘルスコミュニケーションの世界的権威Tom Lang 氏をお招きし,市民・患者に向けた医療・健康情報を作成する際に活用出来る基本理論とコツについて,分かりやすくお話いただくことにしました。題材には,高齢化時代においてますます比重を増す"がん"を中心的に採りあげ,レクチャーと,演習,全員参加型の討論を行いたいと思います。Lang氏は,英語を母国語としない方々への指導を数多く手掛けて来られ,教育者としての幅広い経験をお持ちです。日頃実践の場において抱いておられる疑問などを,率直に交換していただきたく存じます。
【講師略歴】 Tom Lang
Tom Lang Communications & Trainingの主宰者として,各国でメディカルライティングやヘルスコミュンケーションのトレーニング,および科学分野における出版や研究の客観評価などの分野で,精力的に活動している。
California State University at Chicoで人類学,心理学,社会学,初等教育などを専攻した後,University of Southern Californiaでコミュニケーション・マネジメントの修士号を取得。 その後,Cleveland Clinic Foundation の科学出版部で,メディカルエディティングサービスの責任者として,原稿執筆と編集,後進の指導などにあたり,ボストンのNew England Medical Centerの診療研究部門のシニア・ライターとしても活躍。
メディカルライティング教育活動における幅は広く,シカゴ大学の生物医学ライティングコースやAmerican Medical Writers Associationでさまざまなコースの指導経験を持っている。 1996年以降は,China Medical Boardの招聘で,何度か中国にわたり,英語による生物医学の専門誌出版のための執筆と編集を指導している。
こうした幅広い職歴に加えて,Council for Science Editors (前会長),American Medical Writers Association,World Association of Medical Editors,European Association of Science Editorsなどのリーダーとして活躍,1994年にはAmerican Medical Writers AssociationよりGolden Apple賞を,また1992年にはそれまでの功績を称えられて同協会より会長賞が授与されている。
代表的共著に,How to Report Statistics in Medicine: Annotated Guidelines for Authors, Editors, and Reviewers(医学における統計解析結果の書き方:執筆者,編集者,校閲者のための注釈付ガイドライン)の名著があるほか,日本の古武術研究家としても知られ,Jujitsu Techniques & Tactics , The Japanese Short Staff などの著作は,欧米の専門家のバイブルとされている。
武原 信正(司会)
1968年 東京教育大学(現筑波大学)理学部生物学科卒業 株式会社学研 映像局ディレクターとして科学・教育・イベント領域の各種映像作成を経て 現在,ライフサイエンス出版株式会社 取締役編集長 日本メディカルライター協会評議員,財団法人日本科学映像協会理事(医療分野担当), 財団法人パブリックヘルスリサーチセンター Japan Public Outreach Program (JPOP) 実行委員長 American Medical Writers Association 会員