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特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会
Japan Medical and Scientific Communicators Association
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医療や健康に関するコミュニケーターとは?
臨時総会 —NPO法人設立総会
日 程: 2005年11月24日(木) 13:00〜13:20 (開場12:15)
会 場: 東京大学 弥生講堂・一条ホール どなたでもご参加いただけます。
ヘルスコミュニケーション シンポジウム・パネルディスカッション
個人情報保護法施行半年後の混乱
—ヘルスコミュニケ−ションの現場を検証する
日 程: 2005年11月24日(木) 13:30〜17:30
会 場: 東京大学 弥生講堂・一条ホール
定 員: 150名 非会員の方もご参加いただけます(会員優先)
懇親会: 弥生講堂内の会場で 17:45〜19:00で行ないます(参加費1,500円)
後 援:
(五十音順)
財団法人パブリックヘルスリサーチセンター Japan Public Outreach Program(J-POP)
東京大学大学院医学系研究科 クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット(CBI)
 2005年4月に個人情報保護法が施行されて半年。この法律の解釈と実施方法をめぐって,各界に困惑が広がっている。
 特に患者プライバシーへの配慮が強く求められる医療界や,医療情報発信を活動目的とするメディアならびにヘルスコミュニケーション分野での混乱は少なからぬものがある。たとえば,メディア関係者が,個人情報保護を理由に医療機関の拒絶に会い,正常な取材や問い合わせが出来ないと言った話をしばしば耳にする。
 本法の第1条には,「個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利,利益を保護する」ことによって,「個人情報の活用と保護のバランス」をとることが明記されている。プライバシーに十分配慮しつつ,個人情報を有効に活用することこそがこの法律の本来の目的なのである。
プライバシーの保護と個人情報活用への理解不足から過剰適応が起こり,医療情報の発信活動に停滞が生じていることは,国民が正しい判断力をもって患者主体の医療を推進する上での憂うべき状況と言えよう。
 今回のシンポジウムでは,法律家,医療機関代表者,ヘルスコミュニケーション企業などの第一線で活動する関係者が会し,個人情報保護法の意味を再認識すると共に,コミュニケーション現場で発生している様々な事象への対処法について検証してみたい。

プログラム:
1. レクチャー(13:30〜14:00)
(司会) 株式会社シナジー代表取締役 JMCA評議員 七野俊明
「個人情報保護法の真意と誤解」 弁護士・作家 三輪亮寿
基調講演として、個人情報の保護に関する法律制定の背景についてプライバシー権との関連で概観する。 国際標準というべきOECDガイドライン(1980年)など海外の動向についても触れ、個人情報保護法の制定目的を確認。法律施行後半年間の現場対応の混乱、逸脱についてエピソードを紹介する。
2. プレゼンテーション(14:10〜16:10)
(司会) ライフサイエンス出版株式会社代表取締役 JMCA評議員 武原信正
「個人情報保護法は,ヘルスコミュニケーションにどう影響を及ぼしているか」
1) 医療における患者情報保護の原点 榊原記念病院最高顧問 細田瑳一
個人情報保護法をめぐる混乱の一因は,個人情報と一般情報(非個人情報)の境界が不明瞭なままに,過度な情報の囲い込みが行われているところにあると思われる。個人情報保護法成立以前から,医療機関としての患者情報取り扱いに関する課題点を指摘し,実践して来た演者に,医療における個人情報とは何か,個人情報と一般情報の違いは何かなどを,分かりやすく説明してもらう。
2) 個人情報保護法の施行とメディアの困惑 日経BP社 医療局編集委員 北澤京子
医学雑誌に掲載される論文や記事には,カンファレンス記録など,特定の患者の具体的な情報につながる記述が少なくない。出版社側がこうした個人情報を取り扱う際に細心の措置を講じることは言うまでもないが,医療機関名などが明らかにされる以上,全く問題が生じないとは言えない。また取材や編集の現場では,個人情報保護法への過剰適応から来るさまざまな反応に戸惑いを感じることもある。
具体的な事例を元に,医療メディアが患者のプライバシー保護をどのように考えているか,現場からの問題提起を行いたい。
3) 個人情報保護法に対するメディアの対応 朝日新聞社編集委員 出河雅彦
既に社会問題にもなっている個人情報保護法をめぐる混乱は,マスメディアの分野にも及んでいる。新聞をはじめとする巨大メディアは,この問題に対してどのような対応策を打ち出しているのだろうか。
最近の具体的な新聞報道を事例に取り上げ,問題点と対策を紹介してもらう。
4) 患者側から見た個人情報保護
 特定非営利活動法人日本インターネット医療協議会事務局長 三谷博明
個人情報保護法への過剰適応の風潮は,一般生活者や医療関係者が強く求める"医療情報の活性化"に向けた活動を阻害しかねない。医療情報やサービスの分野で,提供者と利用者の間に立ち,その活性化をはかるNPO活動の視点から,患者や一般生活者側が求める個人情報保護の形とは何かを,米国のHIPAA(個人健康情報の保護基準)などと比較しながら整理してもらう。
5) インターネット企業としての対応
 ソニーコミュニケーションネットワーク e-メディカルプラッツマネージャー 村上 進
個人情報保護法への過剰適応は,医療情報企業の活動にも,少なからぬ影響を及ぼしている。
e-healthなど,医療コンテンツを扱うインターネット企業は,現状をどのように捉え,どのような対応策を講じているか。事例に基づいて紹介してもらう。
6) 個人情報保護法が健康情報分野に及ぼす影響
 京都大学医学系研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野 助教授 JMCA理事 中山健夫
個人情報保護法実施に伴う混乱は,健康・医療研究の場にも影を落としている。
疫学研究・臨床試験などの停滞は,日本の医療の将来基盤を脆弱化させるが,個人情報保護法をめぐって研究者と一般生活者のコミュニケーションが阻害されることは,こうした危惧を現実化することにつながりかねない。
かつてアメリカでも,個人情報保護法が施行された前後,社会に多くの混乱が生み出された。アメリカは,この混乱をどのように乗り越えたか。その分析から,日本における対応策も垣間見えて来る。
3. パネルディスカッション (16:20〜17:20)
「個人情報保護法への過剰適応に,コミュニケーション現場はどう対処すべきか」
(司会) 京都大学大学院健康情報学 JMCA理事 中山健夫
(パネリスト) 三輪亮寿/細田瑳一/北沢京子/出河雅彦/三谷博明/村上 進