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特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会
Japan Medical and Scientific Communicators Association
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医療や健康に関するコミュニケーターとは?
2008年3月4日(火)
製薬企業の方々を対象とした臨床研究セミナー 3
−医薬品の有効性と安全性に関する情報発信−
(医薬情報担当者ならびにマーケット部門,市販後安全性部門の担当者を主な対象とする)
はじめに
 医薬品の価値を高めるためには,市販後に適切な情報を発信する必要があります。たとえば,開発段階では解明できなかった有効性に関する情報や,使用経験を積むことによって判明した新たな安全性情報が市販後に発信する情報の代表的なものです。こうした有効性や安全性に関する情報を発信するためには,適切な臨床研究を実施する必要があります。
 しかし,適切な有効性の情報を発信するためには,適切な臨床研究をデザインしなければなりません。同時に,得られた研究結果を適切に評価しなければなりません。現在の医薬品の臨床研究を見ると,こうしたデザインや解釈の点で問題のある事例も散見されます。たとえば,統計学的有意差を過度に強調した臨床試験成績や,開鍵後に追加したサブグループ解析を中心に公表された大規模臨床試験成績などを目にすることもあります。
 また,適切な安全性の情報を発信するためには,個別の症例を報告するだけでなく,集積された安全性データを適切に分析する必要があります。そのためには,観察研究のデザイン・解析・評価に関する基礎知識を修得する必要があります。さらには,分析した結果を踏まえ,適切なリスク管理を企業として実施する必要があります。
 今回のセミナーでは,市販後の医薬品の情報発信に焦点を定め,製薬企業や開発業務受託機関の担当者が留意すべきポイントを整理してみたいと考えます。医薬情報担当者ならびにマーケット部門および市販後安全性部門の担当者の方々のご参加をお待ちしております。
日 時: 2008年3月4日(火) 13:45〜16:40 (開場13:30)
場 所: 東京大学 山上会館 2F大会議室
主 催: 特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会(JMCA)
定 員: 100名
参加費: JMCA正会員   5,000円
JMCA賛助会員 7,000円 賛助企業の方は年会費1口あたり2名様まで賛助会員扱い
一 般     10,000円
学 生     3,000円 ※当日受付にて学生証をご提示ください

※お振込後の返金は致しかねますので,予めご了承下さい
内 容:

どのようにして臨床研究をデザインするのか?
(東京大学 公共健康医学専攻 橋本 英樹)

 製薬企業のマーケティング部門や医薬情報担当者にとって,医師の自主研究を支援することは重要な役割です。ここでは,こうした研究を支援する際に必要な知識として,「現在保有している臨床データを基盤として,新たな臨床研究をデザインするにはどうすればよいか」を解説します。多くの場合,医師の自主研究は「医療行為に介入する臨床試験」に焦点を絞っていますが,適切にデザインされたケースコントロール研究やコホート研究は,臨床試験と同様に強いエビデンスをもたらすことができます。今回は,こうした観察研究も含めて,広い意味での「臨床研究のデザインに関する留意点」を解説することとします。

降圧薬の大規模臨床試験成績の解釈
(琉球大学 薬物作用制御学 植田 真一郎)

 最近,降圧薬に関する国内の大規模臨床試験成績が相次いで発表されました。しかし,これらの試験結果から導き出された結論は適切なものといえるのでしょうか。ここでは,いくつかの大規模臨床試験を事例として,1)試験開始時の目的,2)主解析の結果,3)公表された解析結果,4)著者グループが導き出した結論を整理し,結果の解釈や公表された結論が適切かどうかを吟味することとします。

TS-1の安全性情報管理
(大鵬薬品工業株式会社 安全管理部 髙木 茂)

 有害反応,いわゆる副作用は医薬品のベネフィットに影響を及ぼすリスクです。しかし,適切に管理できるリスクは決して脅威ではなく,リスクを管理したうえで医薬品を処方すれば,適切なベネフィットを期待することができます。ここでは,経口抗がん剤であるTS-1を事例として,企業がどのようにリスクを分析し,どのようにリスクを管理したかを,医療機関への情報の伝達方法も含めて解説いたします。

(講師敬称略)

【プログラム】 ※時間は予定であり,変更になる場合がございます

時 間
タイトル
講 師
3

4

(火)
13:45〜13:50
開会ご挨拶
東京大学
公共健康医学生物統計学
大橋 靖雄
13:50〜14:40
どのようにして臨床研究をデザインするのか?
東京大学
公共健康医学専攻
橋本 英樹
14:40〜15:30
降圧薬の大規模臨床試験成績の解釈
琉球大学
薬物作用制御学
植田 真一郎
15:30〜15:50
− 休憩20分 −
15:50〜16:40
TS-1の安全性情報管理
大鵬薬品工業株式会社
安全管理部
髙木 茂