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特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会
Japan Medical and Scientific Communicators Association
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医療や健康に関するコミュニケーターとは?
2008年11月4日(火)
 第7回 JMCAシンポジウム
『医療におけるリスクコミュニケーションの課題と実践
 —子宮頸がんワクチン問題を中心に』
日 時: 2008年11月4日(火)13:30〜17:05 ※17:30〜19:00 懇談会
会 場: 東京大学医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂
定 員: 200名
後援: 社団法人日本産科婦人科学会,社団法人日本産婦人科医会,
NPO法人婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)日本ワクチン学会
NPO法人キャンサーネットジャパン
財団法人パブリックヘルスリサーチセンター Japan Public Outreach Program(JPOP)
NPO法人日本臨床研究支援ユニット
懇談会: 17:30〜19:00(会場は同じ建物内を予定)
軽い飲み物とスナックにて,参加者間の交流の場と致します。

世界の100カ国前後で使用されその劇的な効果が認められていながら,日本では今なお未承認のワクチンが少なくありません。子宮頸がんワクチンや細菌性髄膜炎ワクチン(Hib)がその代表例です。
いま20〜30代女性における子宮頸がん罹患数が著しく増加し,乳がんの罹患数を上回っていますが,アメリカなどでは子宮頸がんワクチン接種者においては,がんのリスクを90%以上も減少させられるという報告もあります。
日本がワクチン後進国となってしまった原因のひとつに,リスクコミュニケーションの悪さが指摘されています。マスメディアなどがワクチン接種に伴って稀に起こる副作用を強調するあまり,ワクチンが果たす優れた効果を社会全体が拒否するような状況が生まれているのです。これは私たち医学・科学コミュニケーターにとって,座視出来ない問題と言えます。

今回のシンポジウムでは,まず子宮頸がんとそのワクチンの実像を知り,続いて日本で未承認のワクチンの背景を検証し,ワクチン実施に伴う費用対効果問題およびリスク対ベネフィット問題を考え,医学・科学コミュニケーターとして認識したい「ターゲットに届く情報発信」のあり方を,専門家と共に探っていきたいと思います。
誤った風聞がいかにして社会の拒絶反応につながるかを検証しておくことは,優れたワクチンを闇に葬り去らぬためにも,コミュニケーターとして体験すべき重要なプロセスだと思われます。

このシンポジウムが,子宮頸がんワクチンに関する,研究者,医学・科学コミュニケーター,メディア,製品を提供する企業関係者,ワクチン実施を心待ちする市民や患者団体,そして情報不足がささやかれる医療関係者などが一同に会する機会となり,ワクチンの必要性とリスクコミュニケーションに対する議論がいっそうの高まりを見せることを願っています。

【プログラム】 (敬称略)
※演題や講演時間など詳細は変更になることがございます。最新情報は当ウェブサイトにてご確認ください。
第I部. シンポジウム 13:30〜15:45
はじめに:シンポジウム開催の主旨 13:30-13:35
日本メディカルライター協会理事長/
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻生物統計学教授  大橋 靖雄

講演1: 13:35-14:00
『ワクチンに対する社会の反応とリスクコミュニケーション上の問題点』
日本赤十字社医療センター小児保健科部長  薗部 友良
MMRワクチン(風疹,麻疹,おたふく風邪の3種混合ワクチン)やHibワクチンなど,その有効性が科学的に認められながら,認可の壁や誤った風聞などから国内での接種がむずかしく,小児の健康や命が損なわれている例が少なくない。こうした事例の存在を社会に広く知らしめると共に,その原因と問題点,今後の課題について検証する。

講演2: 14:00-14:25
『子宮頸がんは予防出来る —期待されるワクチンの効果と日本社会の課題』
自治医科大学附属さいたま医療センター総合医学第2(産科婦人科)講座教授  今野 良
子宮頸がんワクチンとはどのようなものか。欧米における成果と,日本はこの課題にどう取り組むべきかを,幅広くレビューしてもらう。同時に,子宮頸がんが,検診による早期発見効果の高い(=介入により,死亡率低下が認められる)がんであることにも言及してもらう。

講演3: 14:25-14:45
『医療経済学的にみた子宮頸がんワクチン実施のメリット』
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻
疫学保健学 臨床疫学・経済学 准教授  福田 敬
子宮頸がんワクチンをはじめ,ワクチン実施に伴う費用負担問題,費用対効果問題などを解説

講演4: 14:45-15:05
『子宮頸がん予防のための情報活動のあり方』
総合母子保健センター愛育病院 産婦人科部長  安達 知子
いまだに純潔教育を指導する国。子宮頸がんと性感染症(STD)を混同する医療現場。 子宮頸がんに対するこれからの疾患啓発と,ターゲットに届く情報発信のあり 方について提言してもらう。

講演5: 15:05-15:25
『実施が待たれる子宮頸がんワクチン —患者の立場から』
NPO法人女性特有のガンのサポートグループ オレンジティ理事長  河村 裕美
Assistant: NPO法人キャンサーネットジャパン理事  川上 祥子
若くして生命を絶たれる子宮頸がん。画期的なワクチン実施の遅れがもたらす社会的損失は計り知れない。今年7月に,国内4つの子宮頸がん患者支援団体が集まり,「ティール&ホワイト リボンキャンペーン」を開始する。キャンペーンスタートの趣旨と,ワクチンを願う社会の声を紹介。
⇒会場参加者全員に,T&W リボンバッジを配布(予定)

講演6: 15:25-15:45
『リスクコミュニケーションにおけるメディエーターの役割と課題』
株式会社日経BP がんナビ編集長  小板橋 律子
過去の失敗例や科学的エビデンスを踏まえて,医療分野で活動するコミュニケーターは,どのようにリスクコミュニケーションを実践していくべきか。がん関連情報を発信しているインターネットサイト「がんナビ」の視点から、率直な提言をする。

−休憩20分−

第II部. パネルディスカッション 16:05〜17:05
「子宮頸がんワクチンにおけるリスクコミュニケーションをどう成功させるか」
●司会: 日本メディカルライター協会理事長/
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻生物統計学教授 大橋 靖雄

●問題提起:「ワクチンの審査,認可,費用負担をめぐる行政の現状」
筑波大学人間総合科学研究科 フロンティア医科学専攻 婦人周産期医学教授 吉川 裕之
パネリスト: 吉川裕之/薗部友良/今野 良/安達知子/河村裕美/小板橋律子
◆お問合せ・お申込
 特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会事務局
電 話 03-3252-3150
F A X 03-3254-8037
メール office@jmca-npo.org