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2009年2月26日(木)
JMCA臨床研究セミナー 4
『エビデンスを作る・伝えるときに必要なルール
−臨床研究・疫学研究を実施する際のガイドラインと制度,その変革』
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このほど中山健夫氏(京都大学)と津谷喜一郎氏(東京大学)の手で,日本語による『臨床研究と疫学研究のための国際ルール集』が刊行されました。基盤整備が大幅に遅れ,新薬開発においてはグローバリゼーションの波に乗り遅れ,疫学研究においては研究の立ち遅れに直面している日本の臨床研究・疫学研究分野に従事する専門家にとって,各種の研究指針が網羅されたこの出版物は,利便性の高い資料になろうと思われます。
質の高い臨床研究・疫学研究を進める上で,被験者の人権を守ることは最重要課題であり,研究者は国際ルールに則った倫理指針に通暁することが重要であることは申すまでもありませんが,他方で,急激な展開を見せる臨床研究・疫学研究を取り巻く環境と制度の変化にも注意を向ける必要性を感じます。
2007年に改正された「疫学研究に関する倫理指針」はその改正意図が十分に理解されず,逆に疫学研究の円滑な遂行を阻害する例もみられます。2009年4月に施行される「臨床研究に関する倫理指針」の改正にあたっては,未承認薬を医師主導の臨床研究で合法的に利用するためのIND制度策定も議論されたと仄聞しています。
2009年最初の JMCA臨床研究セミナー 『エビデンスを作る・伝えるときに必要なルール - 臨床研究・疫学研究を実施する際のガイドラインと制度,その変革』では,まず中山氏,津谷氏に,臨床研究・疫学研究に関する国際的な倫理指針および各種声明を解説いただき,これにまつわる幾つかの動きをレビューしていただきます。植谷氏からは臨床試験論文ガイドラインCONSORTに従って論文を評価した結果を紹介いただきます。大橋氏からは十分に理解されていない疫学研究に関する倫理指針を解説いただき,柴田氏からは現時点で未承認薬を混合医療下で利用できる高度医療評価制度について紹介いただきます。
また質の高い臨床研究・疫学研究の追跡を行うためには,住民基本台帳の活用が必須ですが, 2011年の改正統計法施行を契機に人口動態統計の目的外使用が可能となり,臨床研究・疫学研究が円滑に進むことが期待されております。岡山氏にはこれらの問題について現状を紹介していただく予定です。
今回のセミナーが,研究者やメディカルコミュニケーターの方はもとより,研究支援や研究成果の発信に携わっておられる製薬業界の皆様にとっても注目すべき機会になることを願っております。
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日 時: |
2009年2月26日(木) 13:30〜17:30 (開場13:00)
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場 所: |
東京大学医学部 臨床講堂 |
主 催: |
特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会(JMCA) |
定 員: |
100名 |
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【プログラム】※時間は予定であり,変更になる場合がございます |
(講師敬称略) |
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時間 |
タイトル |
講師 |
2 月 26 日 (木) |
13:30〜13:40 |
はじめに |
東京大学大学院医学系研究科 大橋 靖雄 |
13:40〜14:20 |
講演1 医学論文の科学性・倫理性の向上に向けた “ルール”を考える |
京都大学大学院医学研究科 中山 健夫 |
14:20〜15:00 |
講演2 CONSORT声明とその展開: WPRIM とAPAMEの動向を含めて |
東京大学大学院薬学系研究科 津谷 喜一郎 |
15:00〜15:30 |
講演3 CONSORT声明を用いた 日本のランダム化比較試験論文の評価 |
スタットコム株式会社 メディカルライティング部 植谷 可恵 |
15:30〜15:50 |
—休憩20分— |
15:50〜16:20 |
講演4 理解されていない疫学研究に関する倫理指針 |
東京大学大学院医学系研究科 大橋 靖雄 |
16:20〜16:40 |
講演5 住民基本台帳と人口動態統計の目的外使用 |
財団法人結核予防会 第一健康相談所 岡山 明 |
16:40〜17:00 |
講演6 高度医療評価制度とは何か |
国立がんセンター がん対策情報センター 柴田 大朗 |
17:00〜17:30 |
質疑応答とまとめ |
東京大学大学院医学系研究科 大橋 靖雄 |
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【お問合せ・お申込み】
特定非営利活動法人(NPO)日本メディカルライター協会事務局
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電 話 |
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03-3252-3150 |
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F A X |
: |
03-3254-8037 |
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メール |
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