長い間,日本の医学研究者やメディカルライターは,英語で論文を書く際には「良い英語」,すなわち「ネイティブスピーカーの使う英語」を求められてきました。しかし今では,医学ジャーナルのエディター,レビュアー,読者の多くはネイティブスピーカーではないという時代を迎えています。そのような人たちが短時間で正確に(投稿)論文を読み,評価を下す際に必要としているのは,決して「ネイティブスピーカーの使う英語」ではなく,「明瞭,簡潔で理路整然とした英語」,すなわち“3Cs English(Clear Concise Coherent English)”なのです。
一方で,日本人研究者の論文作成をサポートすることの多いネイティブライターが遭遇する日本人特有の英語表現や言い回しなどは,文法的にはまったく問題がなくても,文化や言語構造の違いなどから,それほど効果的でなかったり,時にはわかりにくさの原因となることもあるようです。
私たち日本人がグローバルスタンダードの英語論文を書くにはどうすればよいのでしょうか。そのヒントの1つとして,今回のJMCAサロンでは,第23回サロン(2014年)でも講師をお務めいただいたLee Seaman氏をお招きし,現在のメディカルライティングのトレンドとともに彼女が提唱する“3Cs English”についてご紹介いただきます。さらに,3Cs Englishを書くための具体的な方法を解説しながら,医学論文のライティングに関する実践的な演習を行います。今回は論文に焦点を当てていますが,基本的な考え方やライティングのポイントは,論文以外の英文ドキュメント作成にも役立つはずです。ぜひ3Cs Englishを身につけて,明瞭,簡潔で理路整然とした英語論文を書いてみませんか。
*Seaman氏の講義は英語と日本語を交えて行われますが,質問は日本語でお受けできます。あなた自身の英語のレベルを気にすることなく,ぜひお気軽に参加ください。なお,講義スライドと演習材料は英語です。
*サロン開催前にSeaman氏への質問をお受けします。質問は日本語でも英語でもけっこうですので,3月4日(月曜日)までにJMCA事務局にお寄せください。サロン当日に,参加者の皆さんに質問を共有させていただき,回答を差し上げたいと思います。
講師(敬称略): Lee Seaman (Seaman Medical Inc.)
モデレーター:モデレーター:小貫美恵子(株式会社エディット)
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内容 |
13:30−13:35(5分) 講師紹介
小貫美恵子(株式会社エディット)
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13:35−14:35(60分) Part 1(講義) メディカルライティングに関する世界のトレンドについて −効果的なコミュニケーションを可能にする3Cs English
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14:35―14:45(10分) 休憩
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14:45―15:45(60分) Part 2(講義と演習) 3Cs Englishを書いてみよう!−3Cs Englishのための12の原則
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15:45―16:00(15分) 休憩
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16:00―17:10(70分) Part 3(講義と演習)
日本人が陥りやすい論文ライティングのpitfallとその対応策−ニュアンス,ロジック,パラグラフ構成
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17:10―17:30(20分) Q&Aとまとめ
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17:30―18:00(30分) サロン(意見交換会)
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